さて,前回ヘッドライトの殻割りを行いました.
(ほぼ)無事に殻割りを済ませたので,いよいよヘッドライトの改造に入ります.
まずは,ランプユニットの構成を色々妄想します.
購入時の配光テスト(下図)では,MORIMOTOのLEDが最も明るいという結果でした.
なので,MORIMOTO製のLEDユニットは,採用決定です.
ただし,このLEDユニット,消費電力が非常に小さいです.
MORIMOTO LEDはドライバも含めて,片目で40W程度.
これに対して,D2S HIDランプは片目でバラストを含めて55W程度です.
このことはバッテリやオルタネータには非常に優しいのですが,冬季には懸念事項となります.通常のHIDランプでも積雪や着雪で前が見えなくなることがあるにも関わらず,LEDへの交換によって更に消費電力(発熱量)が減った場合には,ヘッドライトへの着雪が更に悪化することが予想されます.
そこで,消費電力が比較的大きいHIDランプと併設することにしました.
HIDランプについては,今回購入した3.0inchタイプのHIDを取り付けることも考えましたが,結局は無加工で残すことが出来る純正ロービームのHIDランプユニットを残すことにしました.
(実は,純正HIDランプユニットを残したもう一つの理由があります.それは,配光が非常に横に広く,右左折時や山道で有り難いということ,カットラインが若干ボヤケており,LEDランプユニットのハッキリとしたカットライン故に,その先が全く見えないという欠点を補うことが出来ることを期待した…というものです.)
MORIMOTOのLEDランプは,Bi-Beam LEDタイプですので,ハイビームとロービームの切り替えが可能です.そこで,
ロービームの純正HIDランプユニット
+
MORIMOTOのBi-Beam LEDランプユニット
の2種類を搭載することにしました.
純正はそのまま手を加えませんので,ハイビームのハウジングにMORIMOTO LEDを追加することになります.
まずは,分解したユニットを観察です.
ハイビームのリフレクタはかなり大きく,更に光軸調整もヘッドライトハウジングの外側から可能ですので,うってつけです.
ただし,ハイビームとロービームの光軸調整は,連動していて個別には調整出来ません.この為,今回追加するLEDランプユニットの光軸と,元々付いている純正HIDランプユニットの光軸は,出来るだけ合わせておく必要があります.
もう一つの懸念事項としては,比較的重いLEDユニットを取り付けて,折れたり撓んだりしないか…という点になります.
これは最終的に問題なかったのですが,実車に取り付けて実際に走行するまでの間,懸念として残っていました.(実際に加速度を加えなければ,分からない点なので…
上記懸念に対応する為,考えられる対策は出来るだけ行うことにしました.
例えば,ユニット取付時には引張荷重を受け持つボルト固定に加えて,圧縮方向を受けることが出来るように,シリコンシーラントの充填を行いました.更に,ネジの緩みを懸念して,ロックタイトの塗布も行いました.このあたりの実作業は,後述します.
これは試しに,購入した3.0inchレンズのHIDユニットと一緒に.
さすがに干渉してしまいそうですね.
透明カバーとの干渉確認.
これだけスペースがあれば.問題なさそうです.
ヘッドライトは光軸調整の為に上下と左右に動かすことが可能です.この可動範囲が思いの外大きいので,調整範囲目一杯まで動かしても問題ないか,確認が必要です.
特に上下方向は,オートレベライザによって自動的に動きますので,万が一ぶつかるとレベライザエラーやレベライザモータの破損,ギア飛びに繋がります.
最後に,純正HIDとMORIMOTOの組み合わせをテスト.
不格好でもなく,結構すんなりと収まります.
むしろ,二眼のプロジェクタがカッコいいです.いい感じですね.
という訳で,純正HIDランプユニットを残して,ハイビームにMORIMOTO LEDを追加する方法を選択することにしました.リスクは小さく,明るさは大分アップするはずです.
基本的に,法規では”ハイビーム時の4灯点灯”は認められていますが,”すれ違い灯の4灯点灯”は不可となっています.なので,基本的にはMORIMOTOのLEDランプユニットを点灯することとして,着雪などがひどい場合には,HIDに切り替えることが出来る構造としました.
(この構成は,信頼性が未知数のMORIMOTOのバックアップとして,信頼性が高い純正HIDユニットをバックアップとして待機させて,すぐに切り替えできる状態としたい…という意味あいもあります.)
長くなってしまいましたので,一旦ここまで.
今回は,検討で終わってしまいました.次回以降,工作を始めます.