ヘッドライトのカットラインがボヤケている理由について,検討してみました.
これは,HIDのプロジェクションタイプのヘッドライトを使用しているタイプであれば,皆同じではないかと思います.
まずは,以下の画像を御覧ください.
「GVB純正 HIDランプユニット」と「BI-LED: MORIMOTO M LED (MORIMOTO)」を同時に点灯して,比較したものになります.
上は「GVB純正 HIDランプユニット」,
下は「BI-LED: MORIMOTO M LED (MORIMOTO)」です.
明るさと配光・色温度が異なる…ということ意外にも,特徴的な相違点があります.それは,カットラインです.
上の純正HIDタイプは,カットラインがかなりボヤケています.一方,下のLEDタイプはカットラインがハッキリとしています.実は,これはレンズの違いによって引き起こされています.
レンズを取り外してみると,どちらも平凡な片面凸レンズのように思えます.しかし,覗いてみると,HIDタイプのみ,同心円状の模様を見ることが出来ます.
レンズの位置に,他意はありません.
レンズを通して見る象の線がガタガタとしていることが,見て取れると思います.
この模様が,カットラインがモヤモヤとしてハッキリとしない原因です.
そのような加工をワザワザ行っている理由は分かりません.
私が想像した理由は以下の2つですが,あくまで想像です.
1つ目 色収差を暈す為
法律で,自動車の前照灯の色は決まっています.しかし,色収差が大きく出てしまうと,青色や赤色が出てしまいますので,それらが万が一でも指摘されないように,このような加工をしているのではないか…
2つ目 境界をぼかして,車両姿勢変動時に幻惑させにくくする為
カットラインが非常にハッキリしていると,自動車の姿勢が変わった時にヘッドライトがチカチカと目を過剰に刺激してしまう為,その緩衝帯としてボカしているのではないか…
どちらも,あくまで仮説です.しかも,最近のLEDヘッドライトではこのような加工を行っていないようです.(収差での青いバンド,非常にクッキリしたカットラインは,最近のLEDヘッドライトのトレンドだと思います)
なので,もしかしたらこれらの仮説は明後日を向いたもの…かもしれません.
もし既存のヘッドライトのカットラインがボヤケていて,そのカットラインをはっきりさせたい場合には,このレンズを交換する…という方法があります.更に,レンズとホルダの間にスペーサを噛ませて,わざと収差を大きくしてあげることで,カットライン付近に青いバンドを作るというカスタムもあります.
アメリカではかなりメジャーな改造のようで,複数のカスタムショップでレンズのみの販売をしているようです.
ただ,外形サイズが同じであっても,適合しないレンズを使うと,ヘッドライトのピントが合わなくなってしまいますので,海外のフォーラムなどで,実績を確認することをオススメします.